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記事の管理

記事の管理というのは主に、管理用のビューで記事を一覧表示し、全てのステータスの記事を閲覧・更新・削除できるようにすることを意味します。これらの操作はそれぞれ admin 操作や delete 操作を行うことで達成されます。Gii により生成されたコードはあまり修正の必要がありません。以下においては、これら二つの操作がどのように実装されているかを説明します。

1. 表形式による記事の一覧表示

admin 操作により、全てのステータスの記事が表形式で表示されます。この画面はソートとページングをサポートします。以下は PostControlleractionAdmin() メソッドです。

public function actionAdmin()
{
    $model=new Post('search');
    if(isset($_GET['Post']))
        $model->attributes=$_GET['Post'];
    $this->render('admin',array(
        'model'=>$model,
    ));
}

上記のコードは Gii ツールにより生成されたものであり、どこも修正していません。最初に Post モデルを search シナリオ により作成します。このモデルを使って、ユーザが指定した検索条件を集めます。次にユーザが指定したデータがあればモデルに割り当てます。最後にこのモデルを使って admin ビューを表示します。

以下は admin 画面のためのコードです。

<?php
$this->breadcrumbs=array(
    '記事の管理',
);
?>
<h1>記事の管理</h1>
 
<?php $this->widget('zii.widgets.grid.CGridView', array(
    'dataProvider'=>$model->search(),
    'filter'=>$model,
    'columns'=>array(
        array(
            'name'=>'title',
            'type'=>'raw',
            'value'=>'CHtml::link(CHtml::encode($data->title), $data->url)'
        ),
        array(
            'name'=>'status',
            'value'=>'Lookup::item("PostStatus",$data->status)',
            'filter'=>Lookup::items('PostStatus'),
        ),
        array(
            'name'=>'create_time',
            'type'=>'datetime',
            'filter'=>false,
        ),
        array(
            'class'=>'CButtonColumn',
        ),
    ),
)); ?>

記事の表示のために CGridView を使用します。これを使うとカラムでソートしたり、記事が多くて1ページで表示しきれないときにページング処理をしたりできます。主な変更点は、各カラムの表示方法です。例えば、title カラムは、記事の詳細表示へのハイパーリンクになるように指定しました。$data->url という表現は Post クラスで定義した url プロパティの値を返します。

ヒント: テキストを表示するときは、テキストに含まれる HTML エンティティ (特殊文字) をエンコードするために CHtml::encode() を呼びます。クロスサイトスクリプティング を防ぐためです。

2. 記事の削除

admin データグリッドには各行に削除ボタンがあります。削除ボタンをクリックすると対応する記事が削除されます。内部的には、クリックによって引き起こされる delete アクションは以下のように実装されています。

public function actionDelete()
{
    if(Yii::app()->request->isPostRequest)
    {
        // POST リクエストによる削除だけを許可
        $this->loadModel()->delete();
 
        if(!isset($_GET['ajax']))
            $this->redirect(array('index'));
    }
    else
        throw new CHttpException(400,'Invalid request. Please do not repeat this request again.');
}

上記のコードは Gii ツールにより生成されたものであり、どこも修正していません。$_GET['ajax'] のチェックについて少し説明します。CGridView ウィジェットにはとても良い機能があって、初期設定では、ソート・ページング・削除の操作が AJAX モードで実行されます。つまり、このような操作をしてもページの再読み込みが発生しないということです。とはいえ、AJAX ではないモードでウィジェットが動作する場合もあります (ウィジェットの ajaxUpdate プロパティを false に設定した場合、またはクライアントの JavaScript が無効になっている場合)。delete アクションでは、この二つのシナリオを区別する必要があります。すなわち、削除要求が AJAX 経由で来る場合はブラウザをリダイレクトせず、そうでない場合はリダイレクトしなければなりません。

記事を削除するときには、記事についたコメントもすべて削除しなければなりません。加えて、削除した記事で使っていたタグに関して tbl_tag テーブルを更新する必要もあります。これらのタスクは両方とも、Post モデルクラスの afterDelete メソッドを以下のように書くことで実現できます。

protected function afterDelete()
{
    parent::afterDelete();
    Comment::model()->deleteAll('post_id='.$this->id);
    Tag::model()->updateFrequency($this->tags, '');
}

上記コードは見たままの内容です。最初に、削除記事の ID と同じ post_id を持つコメントをすべて削除します。次に、削除記事の tags に関して tbl_tag テーブルを更新します。

ヒント: ここでは削除記事の全コメントを明示的に削除する必要があります。なぜなら SQLite が外部キー制約をサポートしていないからです (訳注: この記事が書かれたのは2010年09月05日) 。この制約をサポートしている DBMS (MySQL や PostgreSQLなど) を使う場合は、記事の削除時に関連コメントが自動的に削除されるように外部キー制約をセットアップすることができます。この場合、コード中で明示的に削除処理を呼ぶ必要はありません。

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